2016年1月15日金曜日

想いをカタチに

天候  晴れ
今唄  「いつかどこかで」口ロロ


1月9日(土)山楽荘にて、
観光プログラム「新たな年のともしび」を実施しました。
当日は合計11名の参加者が集まりました。
今回は観光プログラムを振り返るとともに、ここまでのいきさつもお話ししたいと想います。
去年の4月から大山町に移住してきて、自分なりにみえてきた大山の魅力。
その魅力をカタチにした最初の企画です。
また、実施する基盤を一緒に作ってくれた大山町MOGプロジェクトメンバーにはありがとうがいっぱい。(mogプロジェクトはまだまだ続きます笑)



自分が想う大山町の魅力とは?


大山町は、日本海から大山山頂、海抜0mから1709mまで、まさに海と山双方の恵みがたっぷりある自然豊かな場所です。大山・隠岐国立公園を有し、海と山をつなぐ中腹部では渓流風景と高原風景が広がります。また四季と標高により、常に変わった表情を魅せてくれます。一年を通して、町内全域が観光資源となる全国でも類を見ない地域です。
学生時代、東京から九州・北海道など自転車で走り回っていたこともありますが、
こんなにも田舎の良い部分がコンパクトに詰まった地域はありませんでした。
コンパクトシティならず、コンパクトカントリーサイド。


それほど恵まれた地域の中で、本当の魅力は何なのか?


みなさんは、言います。
「間違いなく日本四名山である霊峰大山だ!」「波に乗るには、このあたりの波は最高!!!」「鳥凄いんですよ。日本の約3分の1以上の鳥が大山には住んでいるんですよ。」「国立公園が有する自然!つまり魅力は国立公園があること。」「美味しい美味しい梨に決まってる!うちがナンバーワンだ!」「牛。昔、大山博労座は、日本一の牛馬市だったんですよ。ブランド和牛のルーツは大山にあります。」「水一択。サントリー天然水やコカコーラいろはすなど、大手飲料メーカーも使っているのも証拠。水があるからこそ、全ての恵みにつながる。」「むきばんだ遺跡は凄いぞ!国内最大級の弥生時代の集落跡なんだ!」「所子集落のまちなみ。伝統的な形態を留める建築物が群として残っており、国の重要伝統的建造物群にも指定されていますよ。」「大山の道!マウンテンバイクや自転車で走り降りるのは最高に気持ちいい!!」「メーメーメーメー大丈夫ラーメン!!!」「あんな蛍の大群はここでしかみられない。」「歴史。2018年で開山1300年を迎える大山寺。」「オオサンショウウオはすごい。国重要天然記念物のオオサンショウウオがこんなに生息している地域はない。」「雪!やっと降った!!やっぱり大山と言えばスキーがなくちゃ始まらない。」…etc

上記は一例にすぎませんが本当にたくさんのことばをもらいました。
これだけ違ったことばがたくさん出てくるのは、観光資源が豊富な証拠です。
なぜなら、観光資源がある分だけ、魅力のカタチはことなるからです。
自然、例えば山押しの地域は、魅力を聞くと、みんな揃って”山”と言うでしょう。
特産品がある地域は、魅力を聞くと、”特産品”や”食”の話しをするでしょう。
それが、自分の地域のアイデンティティ誇りだからです。
そう考えると、
やはり大山町には豊富な観光資源があります。


話しをもどします。
それほど恵まれた地域の中で、本当の本当の魅力は何なのか?


観光資源が豊富だからこそ、そのしっかりとた基盤があるからこそ、
僕が、辿り着いた一つの答えは”ひと”でした。


先ほども例をいくつかあげましたが、大山町の魅力を尋ねると、ひとりひとり違った答えが返ってきます。海の魅力を語る人、山の魅力を語る人、牛の魅力を語る人、オオサンショウウオの魅力を語る人、野菜の魅力を語る人、水の魅力を語る人、歴史の魅力を語る人、人の魅力を語る人。人の数だけ大山に対する想いがあります。
一つの地域でこれだけ違った顔を持っている地域はあるのでしょうか?
まさにこれこそが、大山という地域が持つ魅力だと思います。
豊富な観光資源があるからこそ、その土台があるからこそ、想いを持ち輝く”ひと”。
大山で、人生を描いている人こそが、魅力を伝えるために欠かせないピースです。
ピース自体が、魅力そのものです。

ガイドを募集し、育てるのではなく、大山町で想いを持っている人たちにガイドになってもらう。その生の声を届ける場所を、これから創っていきます。


想いをカタチに第一弾「新たな年のともしび」


想いをカタチに第一弾は、
観証院・山楽荘の豪賢住職と女将律子さんと創りあげました。
12月20日頃にお話を持っていき、1月9日に実施というスピードにも対応して頂きました。
すでに2月20日にも実施が決まっています。(こちらは追って、詳細お伝えします。)
山楽荘は、大山に現存する唯一の宿坊。三百五十年の歴史を今に伝える宿坊です。

更に詳しい歴史を知りたい方は、画像をクリック
その歴史を引き継ぐ豪賢住職だからこそできる法話。
この法話に、豪賢住職の想いが詰まっています。
また今回は、一年の抱負を和紙に記すとうろう作りもプログラムに入れました。昔は一年に三人しか入山を許されなかった聖なる山・大山。霊峰大山に一番近い宿坊でこそ、想いを捧げる意味があります。

全体のプログラムの流れとしては、
法話&座禅▷写経▷とうろう作り

それでは写真と一緒に振り返って行きましょう。

法話&座禅


挨拶と、大山の歴史についてお話
座禅の際の座り方をレクチャー
集中していない人や、眠ってしまった人には警策で肩をバシッ
座禅はじまります
灯りを暗くして集中します。
約20分間の座禅でしたが、あっという間の時間でした。
座禅中は、姿勢、呼吸、そして何よりも心を整える時間です。
日常生活の中では、何も考えない時間は寝ている時しかありません。
そんな効率化を求められている現代の中で、
“何も考えない時間を創りましょう。”
というのが座禅の役目とのこと。
単に瞑想するのではなく、自我(考えること)を極力排除して、今だけに集中する。自我以外の存在を五感で受動的に感じ取ることにより、自我以外の存在に縁取られた自我自体を認識できるのが座禅です。
豪賢住職の「座禅をすることにより、自我つまり“心”の色やカタチが分かってくる。」という言葉は印象的でした。

写経・写仏

写経・写仏の説明
各々書き始めます。
写経
写仏
写仏は仏様の絵を書き写します。
座禅で自分と向き合ったあとは、写経体験。頭がスッキリしている状態で、臨みます。
写経は、字の上手い下手や、信仰心の有無によって効果が左右されるようなものではありません。写経を終えた時には、何かが吹っ切れて、清々しい気持ちになることでしょう。
参加者みなさんも集中して取り組んでいました。時間差もありますが、約20〜30分程で完成です。

とうろう作り

好きな色の和紙を選びます。
新年の抱負や、大切な人へのメッセージを書き綴ります。
書き終わったら筒に巻きます。 
さる年
二人の想いも届きますように。
雪だるまオブジェも一緒に。
とうろうに合うオブジェをその場で創ります。
「感謝 感激 日々向上」
ミニかまくらも
ろうそくの灯りが反射してとても綺麗です。
ミニかまくらと灯り
自分のとうろうを写真撮影する人も
「新しい場所で、すてきな人達と出会えますように。」
ゆきだるま「であえる」
今回は+αのプログラムとして、とうろう作りをしました。
座禅写経でしっかり自分自身と向き合ったあとに、今年への想いを和紙に込めて頂きました。最初にも触れましたが、昔は一年に三人しか入山を許されなかった霊峰大山。そんな聖なる山と三百五十年の歴史を共にしている唯一の宿坊山楽荘。大山で一番高い場所に位置する宿でもあります。山楽荘で願った想いは、どこよりも早く天に届くことでしょう。

とうろう作りの手順としては、
①好きな色の和紙を選択②新年の抱負や、大切な方へのメッセージ③筒に和紙を巻き、火を灯せば完成④雪上に置いたり、オブジェ(雪だるまetc)を作り撮影
雪上に灯ったとうろうはどれもとても綺麗で、参加者の方は撮影もしていました。

まとめ

本プログラムを実施した時期は、19 年振りにゲレンデに雪がなく営業できていない時期と重なりました。当日宿泊者も参加者ターゲット想定していたので、その部分については、全く集客できませんでした。
大山に宿泊するお客様は、9割がキャンセル。もちろん言わずもがなスキー場や宿舎には大打撃でした。
今の大山寺エリアの多くの宿舎は、冬の利益があって一年間回っています。冬の利益があって、一年間回ればそれは方法として正解なのかもしれません。ただそこには、“雪”が降ればという条件が付きます。
雪が降らない前提で考えると、きっと方法も変わってきます。グリーンシーズンの宿泊者を増やすことが、冬依存脱却の方法のひとつだと思います。旅館を経営していない僕が、口で言うのは簡単です、ごめんなさい。
ただ、冬依存脱却のために、僕ができることもあると思っています。それは、一年を通して楽しめる、本当に価値がある観光プログラムを、大山周辺に創っていくことです。
それが地域起こし協力隊観光部門である僕の役目だと思っています。ゲストハウスや旅館の方と話していくなかで、どういう部分が足りていないのか、行政側が気づいている部分以外にもたくさんみえてきました。
地域起こし協力隊は、行政と住民のあいだに立てる唯一の存在です。どちらにも寄り添いながら、本当に価値があることを見極めて行く必要があります。
行政が言うことにただただ従う。住民が言うことにただただ従う。
そんなことは絶対にしたくありません。
なぜなら従うだけなら誰にでもできるから。
大山町に佐々木正志がいる意味をみせていかなくちゃいけない。
求められていること、本当に必要なことをしっかり咀嚼した上で、
代用可能、誰でもできるマニュアルなことではなくて、自分にしかできないオリジナルを追求していく。そのために、今ここにいます。
自分が思う大山町の魅力をカタチにしていくのが今。
“ひと”と“ひと”で創り上げて行く圧倒的にアナログな価値。真似が出来ないOnly1に、より光が当たる時代になる。
インターネット、デジタル技術の進化は、対極にあるアナログの力を伝える土壌の成長。コレから先は、いままで以上に本物が伝わる時代になる。
だからこそ“ひと”にこだわります。
佐々木正志の原動力はいつだって“ひと”。
きっとそれは、僕だけじゃない。
だれだってそうだとおもいます。

ゴールはない、永遠に広がっていく。

“ひと”を中心にしたTOURISMはじめます。

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