今歌「Good New Times」Gotch
やっほー!!
4月1日&2日は、二日連続でテレビ番組の収録でした。
今回の番組は、NHK WORLDというNHKの国際放送。その中に、日本の「新しいカタチの旅」を紹介する『J-trip Plan』という番組があります。世界160カ国2億世帯に英語で発信し、スマホアプリやwebでも視聴可能。視聴世帯は世界で2億8000万世帯にものぼります。
そんなJ-trip Planの舞台が、今回は大山エリアになり、「大山の暮らし」を発信する内容に決定!その番組内で『大山の暮らしにふれるツーリズムのプロフェッショナル』として出演させて頂きました。
今回はその撮影内容や、撮影にいたるまでの経緯を振り返っていきたいと思います。
DAISEN WORLDを作ったら、NHK WORLDにでることになりましたよってはなし。
そもそもなぜ『NHK WORLD』にでることになったの?
こたえは簡単で、三年間大山で培った経験値が、しっかりプロの仕事としての価値に昇華したからです。足元からコツコツ培ってきた大山との関係性、つまり大山の方々みんなと創り上げた『DAISEN WORLD』が、『NHK WORLD』の今回のはなしに繋がったのだと思います。
でもこの経験値は、大山で培ったど真ん中の価値の副産物でしかありません。その真ん中があるからこそ、いろんな広がりがこれからも生まれていきますし、チームとしてそれを実際に見えるカタチとしてみせていきます。
大山で培ったものを、今年はどんどんカタチにしていく年。その一つのカタチ、三年間ためてきた力を、自分自身で体現したものが今回の『NHK WORLD』です。
とはいえ、僕自身がこの三年間で経験値をためたとしても、そこを繋げてくれる方々がいなければ、今回のはなしは成り立ちません。
実は、今回の番組制作をしているのは、株式会社アマゾンラテルナさん(以下アマラテさん)。ぼくが大山町に引っ越してきたタイミングと、同じタイミングで東京から支社を作ったのが番組制作会社のアマラテさんでした。
普段は大山町からの委託事業として、100%住民参加型チャンネル『大山チャンネル』を制作しています。今回は、町からのお金には一切頼らずに、全国に大山の魅力を発信するべく仕事をとってきています。
ちなみに去年BS日テレで放映された三宅裕司さんが大山に訪れる番組では、表には社名すらまったく出ていませんが、裏で企画相談や情報提供まで動きまわってくれていたのも何を隠そうアマラテさん。
大山という町の魅力を伝えるために、見えないところでもいつも泥臭く動き回ってくれています。何かがいきなり始まることはなくて、何かがはじまっているところには、いつも見えない理由があることを教えてくれます。(関連サイト『三宅裕司のふるさと深訪~こだわり田舎自慢~』)
そんなアマラテ貝本さんから、
「『田舎オーダメードツアー』的なテーマでやりたいと思っています。そこで、マーシーの活動と引っ掛けてやりたい。」と、今回のお話を頂きました。
しかしこの企画を実現するにあたって二点ほど、大きな問題がありました。
一つ目は、ナビゲーターという新しい立ち位置の登場。『J-trip Plan』は、レポーターが自ら田舎を旅して、そこでふれたことをリアルに英語で表現していく番組です。レポーターがナビゲーターと一緒に番組進行していくカタチは今までの回では一回もありませんでした。つまり番組の作り方として、新しいカタチ。
そして二つ目が、そんな新しい取り組みをする際の肝心のナビゲーターが驚くべきことに一切英語をしゃべれないという点です。英語で発信する番組内容にも関わらず、ナビゲーター役が話せる英語は『ヤッホー!』『レッツゴー!』『サンキュー!』くらいのものです。
今年改正されましたが、去年まで『通訳案内士』の国家資格をとらないと、訪日外国人観光客向けに有料で通訳ガイドができなかったことなどを考えると、確実にチャレンジングな企画だということはご理解いただけると思います(笑)
そんな大きな問題を二つも抱えながらも、企画を通してくれたアマラテ貝本さん、谷崎さんには感謝しかありません。貴重な機会を頂きありがとうございます。
そんな中、実現させて頂いた『NHK WORLD』の『J-trip Plan』。番組内容が分かりすぎてもあれなので、テキスト少なめで、当日の様子を写真で振り返っていきたいと思います。
『J-trip Plan』
まずは今回の『J-trip Plan』のレポーターから紹介。
今回のレポーターはアリー。auの三太郎CMの白雪姫で出てたりします。
めっちゃ気さくな、おっちょこちょいガール。撮影一緒にできたおかげで、アリーが言った英語を、一段テンション高く繰り返すと盛り上がるという技も覚えました(笑)
アリーと桜 |
アリーが出てるCMもせっかくなので紹介。おれも聞き間違えるだろうな(笑)
それでは、撮影のようすをちらり。
大山の歴史をおしゃべり。山楽荘の豪賢さんから教えてもらった知識でしゃべくり。
(関連サイト『宿坊・観証院 山楽荘』)
水の秘密をおしゃべり。
サントリー森と水の学校で培ったガイド知識でしゃべくり。
(関連記事『【森と水の学校】二年目に突入するので、「森と水の学校」を始めた理由を振り返ってみる。』)
大山のしごとや芝の魅力をおしゃべり。
芝作業させてくれるたまちゃんやいちろーさんがいるからこそ、実感をもってしゃべくり。
(関連サイト『やまがみ農園』)
田舎の観光の魅力についておしゃべり。
自らが実践してきた暮らしにふれる観光がおもろいよをしゃべくり。
(関連サイト『DAISEN WORLD』)
最後は、芝を高速でむすぶ岡さんと、アリーで三人でぱしゃり。
写真でちょっぴり振り返り。全行程に参加してるわけではありませんが、ちょくちょく番組内では登場する予定。
番組撮影協力してくださったみなさん、楽しい撮影をありがとうございました!
『ないものを目指す化』をやめる。
この三年間は、自分なりに常に考え、常に自分の行動で試し続けた三年間でした。
その中で、地域おこし協力隊観光部門として一年全力で観光に取り組んでいた中で、気づいたことがありました。
それは、自分たちの足元にこそ魅力があるのに、成功事例に右ならえして見えない正解を目指して進みすぎてしまうということ。他の場所の成功事例は、真似をするためじゃなくて、自分たちの輪郭をより明確にするためにあるものなはず。
みんな同じ方向に向かっていってしまうことに大きな違和感を覚えていました。ぼくは、生まれも育ちも東京です。大山にいま住んでいますが、東京もめっちゃ大好きです。
そんななか、東京ではなく、大山に来た理由は、『東京よりも大山が良い』と思ったからではなくて『東京ではできないことが大山でできるかもしれない』と思ったからです。
それは、『東京と大山の”差”(何かが一番)』に魅力を感じたからではなく、『東京と大山の”違い”』に魅力を感じたからです。
そんな魅力的な”違い”をないがしろにして、他地域の成功事例化、グローバル化、東京化を目指すことは、自分たちにないものを目指す化ともいえます。それは可能性が広がっているように感じる一方、実は一番なくしてはいけないはずの土台である”違い”がなくなっているようにもみえました。
(緑線≒大山(土台)/青線≒東京化・グローバル化・成功事例化(ないものを目指す化)/赤矢印≒時間軸) |
だからこそ、その自分たちの足元から魅力をみつけていこう。どれだけ時間がかかるかは分からないけれど、それこそ大山の本当の魅力だと信じ、協力隊を一年で卒業し、自らはじめたのが暮らしに触れる観光でした。
そしてそんな足元から広がる大山という世界を、一つのカタチとして示せたのが『DAISEN WORLD』でした。
自分からはじまる~機械界のガラパゴスと、自然界のガラパゴス~
そんな足元を中心に広げていく方法、それはある意味『ガラパゴス化』とも言えます。中心は自分で、そこから少しずつ広げていく方法だからです。中心が自分なので、自分中心に応じた独自の進化をしていきます。
『ガラパゴス』というと、取り残されてしまった、時代遅れの、そんなイメージを持つ人が多いと思いますが、それは機械の世界のはなし。確かに機械の世界では、独自に進化しすぎた技術にもかかわらず、他に適応できなくなるという意味でマイナスのイメージで使われてきました。(etc.日本でうまれた『ガラパゴズ携帯(ガラケー)』など)
しかし、もともと自然界でいう『ガラパゴス』は独自の進化を遂げる時代の最先端です。現に、独立した小さな島であるにも関わらず、ガラパゴス諸島では、いまも新種の生物がみつかっています。21世紀に入ってはじめて大型哺乳類の新種がみつかったのもガラパゴス諸島です。
閉じてるのに進化していく。それは閉じてるように見えて、真ん中から広がっているに他なりません。だからこそ、常に変わらずに進化していけるんだと思う。変わらずに変わり続ける見本。
そして今は、そんな機械の成長の臨界点が近づいてきており、その奥行き(IT)に価値が生まれる時代。その奥行き(IT)は、境界はあいまいで、自然にも似ています。そしてそのIT技術はオープンに共有され、本当の意味で自然化した機械を手段として使えるようになってきました。(専門用語で、自然化した機械は、IoT:Internet of Things(モノのインターネット化)とも言えます。)
その時に大事なのは、その自然化した機械を使う真ん中にいる人間だと思います。だからこそ、観光における大山はもちろん、自分自身も変わらずに変わり続けることが大事。
そのど真ん中の独自の進化があるからこそ、それらを自分の武器として使っていけるはず。
機械界の『ガラパゴス』は、パズルのようなもので、独自であるからこそ、ピースのひとつでも進化についていかなければ、使えず終わってしまいます。
自然界の『ガラパゴス』は、ルービックキューブのようなもので、独自でありながら、触れ合う様々な要素が入り混じっているからこそ、進化を遂げられるのだと思います。
自然は境界があいまい、機械は境界しかない。
そして、これからの時代は、それが入り混じる。
にんげんを自然と捉えれば、これからの主役は、機械に使われない人間(自然)になってくるはず。自分が真ん中にあれば機械化も、人間を拡張(サポート)する単なる武器にすぎません。
奥行きある自然化した機械を、使いこなせるのは、機械に使われない奥行きある人間。
だからこそ、ど真ん中が大事で、だからこそ『ガラパゴス』の様に、変わらずに変わりつづける。
『差』ではなくて『違い』をまずは受け入れ、その価値を最大化していくことが『ガラパゴス』の本質。その本当の意味での『違い』こそ、みんなが知りたくなるものだとおもう。
だってぜったいみんな知らないものには、興味あるもんね。
英語まったくしゃべれないのに、『NHK WORLD』でナビゲーターできた一番の理由はそんなみんなの好奇心。本当の意味で、みんなが知りたいのは、英語で伝えられる大山(田舎)の魅力ではなくて、これまで知らなかった大山(田舎)の魅力。既知の道ではなく、未知の道をみんなしりたい。
今回の『NHK WORLD』は、そんな大山の『違い』を信じてやってきた三年間が積みあがったんだという自信に繋がりました。
そしてそんな舞台に繋げてくれる人がいること自体が、自分に特化しまくった証明。だって、ひとりじゃなんにもできないからね(笑)ほんとうに周りの方に感謝。
これからの自分と、大山。
さて、せっかくなので、これからの自分と大山についても、すこし話しておこう。
ちなみに先日、合同会社sunsuntoをつくりますの記事を公開しました。(ちなみに営業開始は5月1日)
(関連記事『【報告】個人事業主を卒業して、合同会社sunsuntoつくります。』)
この三年間で、なにが自分がすべきことなのか、向いてることなのかということよりも、自分がおもろいとおもうこと、本気で良いと思ったものをカタチにするためだけに突っ走ってきた三年間でした。
その自分で突っ走る覚悟を決めた時のこと、協力隊を卒業することになった時のことをちょっと振り返ってみます。
大山町の地域おこし協力隊として一年目がおわりそうなころ、二年目に突入するタイミング。そこでお願いされた役職は、大山全体の観光やツアーをプロデュースする立場でした。旅行業の国家資格を取得したこともあり、地域おこし協力隊でありながら、+αの手当もつく地域おこし協力隊として破格なお誘い。
そしてそれは、大山全体の観光を推し進める監督的な立場でもあり、名前が示すようにまさにプロデュースをする立場でした。
しかし、その時には、自分が目指す暮らしにふれる観光のカタチは見えていて、
それこそが、ぼくが本気でカタチにしていきたい、大山の”違い”であり”魅力”でした。
そしてさらにいえば、監督として全体をプロデュースするには、プレイヤーの方の力が必要です。しかし自分自身にプレイヤーとして現場の経験がまったく足りないことを誰よりもわかっていました。現場の気持ちがわからない限りは、そのプロデュースは、名だけのプロデュースであり、よさそうなものをカタチにしたひとりよがりなものになってしまう。
だからこそ、まずは大山に遊びに来てくれた目の前のひとりひとりに向き合いたいし、楽しんでもらいたい。誰よりも現場の人間でありたい。プレイヤーでありたい。その現場を知れるからこそ、暮らしているひとたちと一緒におもしろいものが作っていける。
しかし目指そうとしている『暮らしに触れる観光』については、その当時実際に作っているものもないので、説明しても分かってもらえるわけがありません。そして『暮らし』に触れる観光である以上、つくりあげる根本のつながりは、おかねではないところなので、時間がめちゃくちゃかかるのも分かっていました。
だからこそ、いつカタチになるかわからないものを、主の財源事業として観光事業を作り上げていこうとする組織の中で目指すことは、うるとら迷惑。
そして実際に町としての目指している観光の方向性と異なる以上は、じぶんのやりたいことに税金は使えませんし、使いたくありませんでした。
それだったら、まずは自分からはじめてみよう。今分かってもらえなくてもいいし、みえないんだから分からなくてあたりまえ。ここから作っていったものの積み重ねで、未来でちゃんと納得してもらうカタチをつくっていこう。
そう覚悟を決めて、地域おこし協力隊を一年で卒業し、自ら事業をはじめました。そのあいだにカタチにしてきた暮らしに触れる観光プログラムはたくさんあります。
■山楽荘の豪賢住職さんがなんとスノーシューで雪道を案内してくれる『雪上さんぽ』
■同じく豪賢さんが、大山寺エリアの歴史や森をガイドしたあと座禅体験をする『こころを調える』
■ビアエッセイスト矢野さんと、四季折々大山のフォトジェニックな場所でビールを楽しむ『ヒルカラビール』
■株式会社skyer宇佐美くんと、広大な芝畑でドローン飛行&ドローンの目線で鳥になったようなVR体験を楽しめる『はじめてのドローン』
■フォトグラファー豊さんと芝農家山上さんに協力して頂き、広大な芝畑に寝転び大山の夜を感じる『DAISEN NIGHT』
■農業家みっつの話を聞きながら、ありのままの農業を、そのまま体験できる『Daisen 』実際のはたけで農作業やおはなしを聞くことができる『DAISEN Farmer Experience』
■素潜り漁師中村さんと一緒に素潜り体験や海を感じれる『FISHERMAN DIVING』(今年スタート)
大山・歴史・雪・ビール・景色・星・闇・芝・野菜・はたけ・海・食・ひと
そんな暮らしの多様性こそが、大山の魅力であり、それを暮らす人から知れるプログラムが『OrangeTrip』です。そのどれもが大山に暮らす人の協力で成り立っており、ひとりではカタチにできないもの。
そんなみなさんの協力があってこそできた土台。こんどはそれを体験したいひとが、しっかり体験できるような入口をつくるフェーズ。つまりは、広げていくタイミング。
自分ひとりでやれることなんて限られてるし、ひとりでやろうとなんて最初からおもってない。ただ作りたいものの土台を作るのには、ひとりからはじめる必要があっただけ。
いちばん大事なのは、事業を大きくすることでも、利益をあげることでも、有名になることでもない。それは自分たちが大事にしたいことを突き詰めた結果得られるものであるだけで、目指すべきものではない。
いちばんだいじなのは、『大山の魅力をつたえること』。そこを突き詰めるためにも、これからは地域の旅行会社と協働して新たな『OrangeTrip』として再スタートする予定です。
『違い』からはじまる価値観を、『チーム』と『場所』でカタチに。
そして『大山』だけではなく、『東京』でもこれから動いていきます。
土台から作ってきた『大山』があるからこそ、『東京』でやる意味があると思っています。そこがなければ、やる意味はないし、まだタイミングではない。けど、できちゃったからやるんです、いまがタイミング。
大山(地方)と東京という『差』からはじまるシャープな価値観ではなく、大山(地方)と東京という『違い』からはじまるフラットな価値観を、『チーム』と『場所』を通して体現していく。新たな価値観の体現は、未来の選択肢を増やす。
『差』から『違い』へ。いままでやってきたことと何も変わらない、全くいっしょ。
それを信頼できるみんなとやる。
(関連記事『【大山の『食』】奥行きがある飲食店をはじめよう。~宣言編~』『【チーム水彩】東京の東側のエリアで『やりたい』に挑戦できる場所づくりを始めました。』)
そんな感じで、引き続き自分がおもろいと思うことをやっていきます。なんかつらつらとそれっぽいことを書いてるんだけど、結局は自分が楽しいと思えることをやりたいだけだし、やってきただけ!(元も子もないこと言ってる笑)
ただ楽しいってのは楽をするってことでは全くなくて、考えたり、向き合ったり、そんな試行錯誤も含めて。そんなでこぼこがあるからこそ、おもしろい。
じぶんが歩いてきた道が正しいか間違ってるかは分からないけど、何より楽しかった道だと心から言えるから、これからもこのまま進むだけ。
これからもドンドンいろんなことをするだろけど、その根っこはひとつ。
一直線にのびてけ根っこ、いろんなとこにのびてけ枝葉、いろんな色をつけてけ葉っぱ!!!!
以上『NHK WORLD』の告知の予定が、書き始めたら、謎に長くなっちゃた記事でした(笑)
『NHK WORLD』は5月16日(水)に『J-trip Plan』WEBサイトから見れるみたいなので、お時間ある方はぜひごらんくださーい!
『NHK WORLD』番組情報
『NHK WORLD~J-trip Plan~』
クラウドファンディング挑戦中
芝生で泊まる『トマシバ』(実施期間5月15日~6月28日)
今夏、大山に暮らすメンバーと一緒に、『非日常』の先にある『暮らし』を体感できる『トマシバ』をスタートします。そのスタートにあたりクラウドファンディングに挑戦しています。ぜひとも下記画像をクリックして、プロジェクトをご覧いただけると嬉しいです。達成するべくチーム一丸となり、一生懸命頑張ります!宜しくお願いします。